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第二章 第三話

last update publish date: 2026-05-30 12:08:35

「じゃあ、お話ししようか」

 水緒が言った。

 流は水緒に会うまでずっと一人だったから話すのは得意ではない。

 だが水緒は相手がいなかったから黙っていただけのようで話をするのは好きらしかった。

 流は口下手で、あまりちゃんとした返事が出来なかったが、水緒は気にした様子もなく喋っている。

 流も返事こそろくに出来ないが水緒の声を聞いているのと楽しかった。

「あのおじさん、物知りだね」

「大人はみんなそうだろ」

「でも、あのおじさん、ちゃんと教えてくれるよ」

 確かに水緒の村の大人達は水緒を働かせるだけで、それ以外はほとんど口を利いてなかったようだ。

 遠からず生贄として差し出すことが分かっていたから必要以上に関わらないようにしていたのかもしれない。

「ごめんよ」

 外から声が掛かり障子が開いた。

 女将と呼ばれる女が入ってきた。

「桐崎様に頼まれてね。二人の髪を結いに来たよ」

「髪を結う?」

 水緒が首を傾げた。

 女将はまず水緒の後ろに座ると髪をかし始めた。

「痛た……」

 櫛が髪に引っ掛かる度に水緒が顔をしかめた。

「随分、長いこと髪を
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